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サマータイム

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今週日曜日からサマータイムが始まり、
一時間、時間が早まった分(今まで夕方7時だったのが6時になる)
夕方のまだ明るい時間を色んなことに使えるようになり
いよいよ春がやってきた感じがするようになります。


先日、日本からパリへ帰ってきた友人に話を聞き
滞在中地震に遭い無事だったものの、
その後の様々な報道で家に引きこもりがちになり
これじゃあ鬱になる、と思って外出してみると
みんな意外と気にせず外を歩いてた、なんていう話を聞きました。


こちらではフランス人のお客様などに
わざわざ家族は日本にいるのか、無事か、などと声をかけてもらったり、
イタリアの友人やかなり遠い知り合いまで
様々な方から連絡をもらい有り難いと思わされることが多く、

さらに日本人の友人たちとあっても募金の話をはじめ
自分で事業を持っている人などを中心に募金活動を始める人の多さに
ひたすら日本人の団結の強さを感じました。




うちの近くのユダヤ人街のユダヤ人たちは
いつも伝統的な黒い服、帽子をかぶり
ひげを長くはやしているのですぐ彼らだとわかりますが、
それをみているとそんなに頑なに伝統を守りいつも彼らで集まっていて
窮屈にならないのかと思ったりしていたのですが、

ロシア語の通訳者、米原万里さんの本
「米原万里の『愛の法則』」
という本でちょうど、言葉と文化という話がありました。


+++

ユダヤ人のように国境がない、国土のない民族の
唯一の拠り所が言葉や文化であり、
それがなくては自分たちは自分たちではなくなってしまうわけで、

日本人のように海に囲まれている島国であるという
「天然の国境」がある国ではむしろ英語を公用語にしようとか、
そういう楽観的な議論が出てくる。

つまりユダヤ人のように
心の中に国境を作らなくてはいけないというのは
あまり幸せではないのかもしれず、
天然の国境に守られて、
言葉や文化に対して非常に気楽でいられる日本人というのは
幸せな民族なのかも知れない。

+++




海外にいて海外の文化を学びその文化の深淵まで入っていく日本人と、
同時に「日本人」をいつも意識していなくても
いざというときにすっと日本人として行動する、


まわりの日本人をみていて
そういうバランス感覚を持てるしなやかさが
日本人の強さのひとつだと感じたのでした。





日本はまだ少し肌寒い日々が続いているようで、
早く暖かい春が来ますように。

by chicca-blog | 2011-03-31 00:20

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